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執筆者の写真竹原薬局

高齢者の薬選び

高齢になると、ほとんどの方が通院され、様々なお薬を処方されています。

また、処方されていても処方薬よりも一般用医薬品の方が自分には効果があると、お薬を買われる方もいらっしゃいます。


普通の薬屋さんの感覚だと、薬を飲まずに生活できる事が理想で、お薬を飲む場合でも困った時だけ飲んで欲しい。日々飲み続けるのはなるべく避けたいのです。

しかし、飲み続けないといけない疾患もある為、難しいところもあります。


例えば、寝れなくて睡眠薬を処方される方については、なぜ寝れないのか?と色々聞いてみるんですが、寝れない理由が分からない方が多いんです。なので、毎日の大体の生活パターンを、朝から順に聞いてみると昼寝をされている方が多くいらっしゃいます。

テレビを見ながら寝て、テレビを消すと見てたのに!となる事が多く、本人はテレビを見ているつもりで寝ています。

昼寝は14時までに15分程度が眠気の解消や集中力の向上に理想的です。また、30分以上の昼寝は眠気や倦怠感が強くなったり、夜に寝れなくなる原因にもなります。15時以降の昼寝も夜に寝れなくなる原因の一つです。

生活習慣の見直しはお薬を減らす上で大切になってきます。


漢方薬の精神安定や鎮静を目的としているお薬を寝る前に飲むのも効果的です。

僕が不眠の相談を受けた時に最初に選ぶ事が多い薬は酸棗仁湯です。


睡眠薬はなるべく飲まない方がいいですし、飲んでいる場合には飲まなくても寝れるようになる事が大切です。


また、認知症でせん妄で困ると相談を受けた事がありますが、認知症とせん妄は別々に起こっています。

せん妄は、お酒を飲みすぎて酩酊状態とよく似ています。

原因は多々ありますが、睡眠薬も原因の一つです。原因が分かれば治せるそうです。


また、認知症で、怒りやすかったり、幻覚を見たり、興奮、暴言、暴力等がある場合には、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏が使われています。

外に向けて怒り、暴言や暴力がある場合は分かりやすいですが、起こっていても外に向けない方もいます。口をモゴモゴうごかし、歯軋りをしている感じがある、よだれが口からこぼれたように垂れる、目が釣り上がってイライラしているようなイメージの方もいらっしゃいます。

近年は、術後に起こるせん妄の予防やICUせん妄の改善にも使われ応用範囲が広がっているお薬です。

子供の夜泣きや疳にも使われています。子供が寝ない事があるので、うちでは常に常備しています。


しかし、同じ認知症でも、不安、無動、悲哀、食欲不振、うつ等の元気のない方には、症状を増悪させる事があるので使ってはいけません。

そんな時は、は補中益気湯や人参養英湯を使います。

フレイルの方にも使われています。


また、便秘薬も多く使われています。高齢者では体内の水分量が少なくて便秘になる場合、運動量が減る場合等が原因になる事が多くあります。

寝たきりになれば何種類もの便秘が処方される事があります。

早い段階から、乳酸菌やビフィズス菌を摂り続けて、便秘薬の必要ない生活を続けて下さい。

お薬を使う場合は、これも漢方薬の麻子仁丸をまず選びます。


漢方薬は症状に合わせて選ぶ事が大切です。

一番大切なのは、常日頃から健康に気をつけて生活をする事です。

例えば、腸内環境を整える事で、便秘の改善もありますが、免疫力を高めて感染症の予防にも繋がります。


いつまでも健康でいる努力をしていきましょう!


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