頻尿のお薬として有名な八味地黄丸。
なぜ八味地黄丸が頻尿のお薬と言われているのか?
分かりやすく解説してみようと思います。
漢方の考え方で、人の体には"陰"と"陽"の力があります。
陽は太陽のように明るく熱い状態
陰は月のように静かで暗く冷たい状態
のように正反対です。
普段はバランスよく同じ程度の力を保っています。
想像しやすく例えると、
お鍋に適量の水を入れて火にかけている状態を想像して下さい。沸騰せずに適温をキープしています。陰(水)と陽(火)のバランスが1番いい状態です。
これを理想の体の状態だと思って下さい。
①適量入っている水が減ると、中の水は熱くなり沸騰します。水が足りていない状態です。
人の体でいうと、脱水症状や熱中症の状態です。
②水の量は適量なのに、火力が強くなっても水は熱されて沸騰します。
人の体でいうと、感染症等で発熱している状態です。
③水の量は適量なのに、火力が弱くなかなか温まらない。
人の体でいうと、冷えや加齢によって体の熱が足りない状態です。
④火力は普通なのに、水の量が多くなかなか温まらない。
人の体でいうと、水分のとり過ぎで冷えている状態です。
体が熱い時は、汗をかいて熱を下げようとします。水が足りないと、水分補給が必要になります。
バランスでいうと、陽が強い状態です。
熱が足りない時は、熱を起こす為に震えが起こります。水分を外に出してバランスをとろうともします。
バランスでいうと、陰が強い状態です。
水分を外に出す=尿として排出する
なので、冬に冷えるとトイレの回数が増えます。また、歳を重ねるとトイレが近くなるのも、体を温める力が徐々に弱くなっていってるのです。
歳を重ねる毎に体の水分量が減るのも陰と陽のバランスですね!
じゃあ八味地黄丸がなぜあんなにCMでバンバン流れているのか?
歳を重ねる毎に陽の力が弱くなり、陰の力が強くなる為にバランスをとろうと水分を尿として出している状態を、陽の力を上げてバランスをとるのが八味地黄丸です。
八味地黄丸は、地黄(熟地黄)、山茱萸、山薬、牡丹皮、茯苓、沢瀉、桂皮、附子の8種類で構成されています。
ツムラの医療用の効能は、疲労、倦怠著しく、尿利減少または頻尿、口渇し、手足に交互的に冷感と熱感のあるものの次の諸症:腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱炎、前立腺肥大、高血圧。
となっています。
八味地黄丸は、六味丸というお薬に体を温める桂皮と附子が加わったものになります。
元気な方が飲むと顔がほてる事があります。顔がほてる場合は、六味丸にしてみて下さい。
また、下半身の冷えが強く八味地黄丸ではもう少し足りない時は、八味地黄丸に牛膝と車前子を加えた牛車腎気丸の方がいいですが、ご自身で判断せずに必ずお薬のプロに相談して下さい!
因みに、飲む目薬と言われている杞菊地黄丸は、六味丸に枸杞の実と菊の花を加えたお薬です。
頻尿や夜間尿のお薬と言われている八味地黄丸ですが、頻尿や夜間尿だけではないんです。CMの言葉を信じて飲むのは危険ですよ!
お薬だけに頼るのではなく、食事にも気をつけなくてはいけません。
体を温める食材を使った料理や、黒い色の食べ物を積極的に食べていきましょう。
昔、登録販売者向け研修会で講師をした時の資料から、分かりやすく説明してみました!
漢方薬は、簡単に説明すると足し算と引き算です。過剰な物は減らし、足りないところには足す。
なので、しっかりと登録販売者や薬剤師に相談しながらお薬を選んで下さいね!
今日のルッコラ
写真の角度は違いますが、グーンと伸びた感じがします。日に当たらないと日を探して大きくなるんですね!しかし、葉っぱが大きくて重い為か、クネクネしたり寝ている物もありました!
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